Columnコラム

工業用ゴム製品の寸法精度について

寸法精度

ISOへの注目、環境問題など、品質、管理体制に対する関心は近年、とくに高くなっており、工業用ゴム製品も例外ではありません。
工業製品ですので、当然のことながら寸法制度(品質)にも要望は高いでしょう。
しかし、ゴムの性質上、熱膨張が大きい、弾性変形により径のばらつきがでます。
時間が経過すると寸法が変化し、金属よりも測定誤差がでやすいなど、金属素材のような高精度を実現するのは難しいでしょう。
高精度にする必要があるのかという面に対してでも検証する必要があります。

課題

塗工機などの成膜装置に使用できる精度のゴムローラーは、蒸着、スパッタリング、プラズマ等、さまざまな技術を用いる成膜装置メーカー様向けのゴムローラーがあります。
ワーク走行の管理まで性能を求めるため、高精度のものが必要ですし、ワークの種類や製法の違いなど、成膜装置により様々でありますので、ゴムの素材も完全にマッチしているとはいえません。
そのため、成膜装置に適したゴムの開発が必要です。
加工時の発熱によりゴムは膨張や変形が必ず起こります。
加工をする際には、これらの傾向を補正するように、加工段取りをすることが必要であり、ゴム素材の膨張などを防がなければいけません。
この膨張を防ぐには、スキル、ノウハウが必要です。
加工実績がある会社であるか事前に確認しましょう。
ゴムローラーにおいてはローラー端部での跳ね上がり傾が発生しやすいです。
ゴムローラー製品に特有の現象であり、この事態を起こらないようにする加工面の工夫や補正加工が必要です。
また、ゴム製品は加硫が終わってからも比較的緩慢に収縮変形が進みます。
また、ゴム配合物中に揮発性の成分を含むようなものについては、寸法の経時変化を避けることができません。
このような、ゴム製品は、加硫終了後、ゴムを寝かせる必要があります。
その後、加工、計測します。
あるいは、加硫工程が終了してからオーブンなどで2次加硫が必要になります。
様々な課題はありますが、単に寸法精度を高精度にすればいいというものではありません。
必要に応じて高精度化を行うことが必要です。
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